伯爵散文「侯爵夫人博士女史の全自動シリーズ」




減圧蒸気も真白に凍て付く厳冬が去り往き、
我が大英帝国、イースト・オブ・イングランド東海岸、
エセックスカウンティに麗らかな陽気が巡り始めていた。

北海から芽吹きの喜びを湛えた風がチェルムスフォードの空を撫で、
郊外の森に構えられた侯爵家――機関城(マシンハウス)の庭園に於いても、
青々とした芝が雪解けの水玉を纏い、午後の光に煌めいていた。

城の中央研究開発塔では昼も夜もなく大型汽缶から蒸気が繰られ、
至る所で剥き出しの機構部品が忙しなく回転、往復運動を行い、
伝達駆動音を唸り上げながら城全域に組まれた仕掛の動力を賄っている。

研究開発塔の隣に位置するやや古めかしい館が彼女の私書斎である。
深々と安楽椅子を揺らし、論文を片手に黒檀のパイプを燻らせている。
右眼窩に伊達の片眼鏡を嵌め込み、威厳を醸そうと試みている。

二十歳を半ばも過ぎたが、柔らかくうねる癖の付いた赤毛もそのままで、
表情を著しく欠損した冷酷な瞳とは裏腹に、幼い印象を隠し切れていない。
無邪気な悪戯に興じる彼女の内には純粋無垢な子供が居座っている。

博士女史――彼女は必ず人にそう呼ばさせる。
侯爵家の夫人という立場でもあるが、自己主体性を最も尊ぶ。

その二点に寄り添い、博士女史の愛すべき人格が形成されている。


アフタヌーンティーを喫する緩やかな時間に、博士女史は暇を持て余していた。
それはそれは退屈で、退屈で、退屈過ぎて、
フェルマーの最終定理を解析幾何アプローチから証明し終えたところである。

「退屈で死にそうですわ。死因、退屈!」

そんな博士女史の足元にそろそろと這い寄る一つの影があった。

「ふな! ふなふな!」
「あら、バタートースト、どうしまして? お腹が空いたのかしら」

頬に毛をたっぷり蓄えた縞三毛のペルシャ猫が不器用な前足をバタつかせていた。
彼の名は背中の模様がトーストに見えることが由来している。
決して、トスカーナのピサの斜塔から自由落下させられた経験はない。

博士女史は製図台に下げていた小瓶の蓋を開け、塩抜きカリカリベーコンを与えた。
「あと、落とし卵と煮豆があれば、完璧な朝食でしてよ」
「ふまふまふま」
「あら、焼きトマト? あれは邪道かしら」
「ふまふまふま」
「良い子ですわね、こしょこしょこしょ」
食後、顔を洗うバタートーストの顎を人差し指でくすぐった。
「ふろろろろろろ」と気持ち良さそうに瞼を閉じている。

「ああ、退屈だわ。お前も退屈よね?」

猫じゃらしで暇を潰していたとき、博士女史は何か悪だくみを思い付き、極僅かに口角を上げた。
「ああ、そうだわ、あの淑女面した人達をからかって遊びましょう!」
「ふな!」
「どうせ暇なんだから、招待して差し上げたら絶対乗って来るに違いないわ」
「ふな!」
「ほら、爺を呼んで来て頂戴な!」
「ふな!」

バタートーストは首を傾げ、愛くるしい真ん丸の瞳を輝かせている。
余談ではあるが、博士女史の性質上、侯爵家に侍女は存在しない。

「爺! 爺や! ちょっとお出でなさい、代筆してくださらないかしら」



侯爵家は代々、国家規模の巨大造船を生業としている。
博士女史の生家は学者、研究者筋で、侯爵家とは密な親交があった。

侯爵家造船社の関係者、細かくは、投資家、帝国議員、下請け、海軍。
今回、博士女史の犠牲者となる者は、それらの家の夫人達である。



  招待状 前略、王女殿下御婚礼目出度き日々に、裕りをお持ちと存知上げます皆々様方へ。

  この度、不肖、私、博士女史は新時代の技術を以ってして、画期的な発明を致し候。

  つきましては、来る翌月一日午後、当家、エセックス機関城にて、茶会を一席設けたく候。

  そちらで、稚拙ながら、我が発明品を公表致したく候。皆々様に於きましては――




侯爵家の使用人も博士女史も準備で慌ただしく当日を迎えることと相成った。
招かれた夫人達は付き合い半分、恐いもの見たさ半分で、大英帝国各地から機関城へ赴いた。


壮大幽玄な機城門を潜り、砂埃を巻き上げて、4台の馬車が庭園に乗り付ける。
博士女史と爺を最奥に侯爵家の使用人達がずらりと並び、客人達を出迎えた。
御者の誘導、降車する侍女、または従僕や執事と会釈を交わし、各々の夫人と挨拶の段。

手入れの行き届いた艶やかな栗毛、レースの目隠しで年齢不詳、傘持ちを従え、王室青ドレスの伯爵夫人。
「お招きいただき、光栄の至りですわ! ほんと! またまた素敵なお城ですこと! お庭も美しいわ!」
「あら、今夜は仮面舞踏会でもあるのかしら?」

ふわりとした白髪の若干ふくよかな初老、ゆったりとした雰囲気の品位ある子爵夫人。
「まあ、久しぶりだわねえ! また一段と立派な淑女にお成りなったわあ」
「ええ、貴女はまた一段と立派なお腹に成ったみたいだわ」

褐色髪を大人しいコサージュで纏めている、三十路、少し地味で伏目がちな男爵夫人。
「あ、あの、……お、茶会に、ごごご、ご招待、い、いただき、大変、嬉しく、思います」
「きっとタッソー夫人の蝋人形の方がお話上手でいらしてよ」

後ろは引っ詰め、前は眉の上で切り揃えた金髪、二十歳過ぎ、凛々しい帝国軍服の女男爵。
「忙しいところ、わざわざ来てやったぞ、ありがたく思うが良いわ! して、座はどこだ?」
「空席はありませんわ! 空席はありませんわ!」

鋭くも優しい眼光、撫で付けたロマンスグレーにカイゼル髭、侯爵家家令兼執事の爺。
「ええ、ごほん、私は当侯爵家の執事でございます。皆々様、主の非礼をどうぞお許しください」


夫人達は春の庭園を眺めて談笑の後、長テーブルに並べられた椅子に掛け、
従僕達がアフタヌーンティーを配膳している間、思い思いに過ごした。

若くて器量の良い従僕にやたら色目を使う伯爵夫人。
積み上げられたスタンド皿に視線釘付けの子爵夫人。
緊張で固まり、まるで壊れた人形のような男爵夫人。
誰彼構わず、戦況の解説や武勲を語り続ける女男爵。


粗方出揃ったところで、爺はピークドラペルに両手を掛け、
凛と正し、ポケットチーフを整えてから、手前下に組んで一礼した。
「ごほん、私は当侯爵家の執事でございます。以後、お見知りおきを。
 ええ、本日は遠いところお出で下さり、誠に――」
「くどい! 皆さんご存知でしてよ。それより勝手に仕切らないで頂戴。私が主催ですわ」
「差し出がましい真似、失礼致しました、お嬢……博士女史様。私は当侯爵家の執事でございます」


「へい、らっしゃいですわ! お堅いことは抜きにして、早速、発明品お披露目お茶会を始めますの」

勿体ぶった緩慢な動作で、きゅうりのサンドウィッチを摘み、口へと放り込んだ。
庭園との対比が眩しい別珍の緞帳で覆われた3つの台座を前に、不敵な真顔を夫人一同に向ける。

「もごもご、まずは、これ、世紀の発明、全自動性交機、ゲロッパ!」

台座の幕が地に落ちると、異様としか言い表せない機械家具が現れた。
金や銀の装飾をこれでもかと派手にあしらったビロード張りの椅子のようなものが
向かい合って奇怪に取っ組み合い、珍妙な動きを滑稽に繰り返している。

予想以上の急速発進展開に夫人達は唖然となった。
「この緩急滑らかなピストン運動は小型多段膨張複式機関連動の超減速歯車機構で実現されましたの。
 可変自在継手クランクによる複雑な挙動で、性器結合部をこねくり回しますわ」
博士女史は無表情を保ったまま、砂糖壺の匙を抜き差しし、ぐりぐりと回して見せた。
「マンネリでへたっぴな夫の相手も、本を読みながら、食事を摂りながら出来る優れものよ」

博士女史はぱたりと扇を閉じ、1人の夫人を指した。
「万年倦怠期の男爵夫人、いかがかしら?」
「え、わ、私、あの、その、きょきょきょきょっ恐縮ですが……、け、結構で、ござい、ます」
「あら、そう、いつもご自分でお慰めになってるのかしら?」
「あ、あ、いえ、あの……」
「殿方に抱かれる女の悦び、もうお忘れになってしまわれたのですわ。何て不憫なのかしら」

困り果てて涙目の男爵夫人に、年季の入った助け舟を出す子爵夫人。
「博士女史、そちらは貴女と侯爵がご使用されたのお?」

博士女史は一枚上手の奇策で往なし流した。
「いやだわ、とんでもなくってよ。そこの女中と従僕に試用させましたわ」

夫人一同、一斉に博士女史が目配せした長テーブルの下座の方へ顔を向けた。
好奇の目を向けられた年端もいかぬ使用人達は眉一つ動かさなかった。

「万国博覧会に使用人共々展示出来ていましたら、さぞ受けたのかしら?
 それとも、イーストエンドにでも納品した方が稼働率は高いのかしら?」

博士女史の独擅場に夫人達は黙って茶を飲むことしか出来ない。
「冗談よ、これは按摩機でしてよ。もう良いわ、下げて頂戴」


「はい、お次は、巧者の発明、全自動淹茶機、マヌカンピス!」

更に悪化した下劣な趣向で、配管だらけのグロテスクな筐体には、逆に、高貴な気品さえ覚える。
「ちょっと女中が外したとき、面倒なことにお客にお茶を淹れなきゃいけないかしら。
 でも、淹れたこともなければ、淹れ方も分からない、という世間知らずなうすらとんかちにおすすめ」

試運転の肩慣らしも終えた博士女史、今度は穢れなき明確な悪意を込めて扇を振った。
「ええと、そこの、何でしたかしら、もう1人の方の男爵夫人、貴女」

「女男爵だ! 貴様、無礼であるぞ、我が男爵家を愚弄するか!」
「あら、図星でして? 女か男か判らない、おたんこなすのすっとこどっこい」
「黙れ! 黙れ! ジェントリ出風情が良い気に成りおって!」
女男爵はいきり立って腰に下げたフルーレ(競技用)の柄に手をかけた。

「はいはい、あしゅら男爵様様でしたわね。ごめんなすってよ、このこんこんちきめ」
「もう許さん! ぶった切って、ゼリー寄せにしてくれるわ!」

この戦場に再び、子爵夫人が合いの手を入れる。
「落ち着いてねえ。貴女は貴族の義務を立派に果たした、陛下の大英帝国が誇る淑女の鑑よお」
「く、……貴姉がそう仰るのであらば、我が名誉に掛けて抑えましょうぞ」
年配には従順にならざるを得ない女男爵は煮え湯を飲み下した。

一方、何事もなかったように博士女史はしれっとしていた。
「はい、こちらのレバーを引きますと、カップが素早く設置され、
 急速骸炭瓦斯燃焼により極毛細汽缶が刹那で沸きますわ」

突如、エインズレイのエリザベスローズカップがアームに挟まれて半回転し、
盆台に飛び出て来たソーサへと割れんばかりに叩き付けられた。

「そして驚異の復水率75%、残りのドレンは紅茶のお湯に使いますの。無駄がなくってよ。
 ジャンピングさせて蒸らしますので、約3分、チャンネルはそのままでお持ちくださいませ」

小振りのダヴィデ像のような精鍛な彫刻が微振動で筐体上部に迫り上がる。
この世の終わりの様相を呈した邪悪を孕んだ呻きを地獄の釜から響かせ、
ありとあらゆる下品な音を立てながら、黄金の液体が卑猥な形状のノズルから噴出した。

夫人一同、スコーンナイフを持っていた手が止まる。

勢いでソーサまで飛び散り濡らしている煮え茶を女男爵の前に恭しく差し出した。
「先ほどのお詫びの徴にこちらをどうぞ」
「いらんわ! 死ね!」

博士女史は口元に手を添え、わざとらしく驚いた体を装った。
「あらあら、勇敢な、それはそれは勇敢な帝国の英雄さんの為にお淹れしましたのに、まさか臆して?」
「笑止! あり得ぬわ! そこまで宣うのであらば、止むなしかな、試して進ぜよう」

筋書通り、と女男爵へ再度促した。
「はい、どうぞ、お召しになって」

女男爵は太い眉を寄せ、恐る恐る、しかし、漢らしく取っ手を掴み、ほんの一口だけ含んだ。
「うむ、やけに渋い春摘みであるな。そして何より鉄臭いわ!」

予定調和、博士女史は台詞を読むように必殺の一言を添えた。
「かのクリミアで敵兵100人を撃ち殺し、鉄の女と怖れられた貴女にお似合いじゃないかしら?」
「ふん、世辞は良いわ、照れるではないか!」
逆鱗の直後に正鵠を射られた女男爵は至極満悦した。

「と、このように簡単一発操作ですの」
茶番を見せられた夫人達から、ぱらぱらと乾いた拍手が鳴った。

「今ならエインズレイ24脚とプッタボンの茶葉半年分も付いて、何と10万シリング6ペンス!
 大変お買い得でございますわ! 資産家の伯爵夫人、どうかしら?」
晒し者になった小さなダヴィデにハットを投げ被せ、返す刀で飄々と押し売り出した。

「あら! 素晴らしい! とっても便利! そしてお安いわ!
 でもでも! 私、お紅茶は得意でございますので、ほんとに、残念ですこと!」

「そう、まあただの動く粗大ゴミですわね。はい、下げて」


「満を持して、取りで登場、高次の発明、全自動チェス座卓、ザ・ターク!」

何の変哲もない、機構組み込み座卓に夫人達は、〆が駄洒落かと少し物足りなさを感じた。
「真ん中のスイッチを押すと、中で駒がじゃらじゃらと掻き回されてよ」

「二重反転スクルプロペラ攪拌で極めて静かに混ざりますのよ。
 万一、クイーンのクラウンでも折れちゃったら、大逆罪で斬首ですものね」
白目を剥きながら扇先で首を撫で、ラズベリソースを口端に垂らす博士女史。

一変、余りの不謹慎さに夫人一同、引き攣った。

ナプキンで口元を軽く抑えながら、真顔で説明を続ける博士女史。
「もう一度スイッチを押すと、どこからともなくトルコ人が現れ、駒を並べてよ」

すると、打ち捨てられた可哀そうな機械の影から、ターバンを巻いた西アジア風の若い男が顔を出した。
「そう、何と、本物のトルコ人がチェスの相手をしてくれますの」

全自動の定義とは何だったのか思い返している夫人達を尻目に、
博士女史は扇を開き読み、最後の追い打ちで仕上げに掛かる。
「どれどれ、ええと、出来立てほやほやのドルマバフチェ宮殿にお住まい、
 P.N.オスマン家の王子様、さんからのお便りですの」

重ねて、扇を裏返し、矢継ぎ早に畳み掛ける。
「なんでもチェスの上手い子女を嫁にと大英帝国に来訪されているいかれぽんちだとか、
 へえ、それはすごいですわね! はい! では、次のお便りに行ってみましてよ!」

「ハーイ、レイデース、コニチワ! ワタシ、メチョメチョのストロンゲストにゴザまーす、じっさい」
王子が駒を並べながら、きらりと白い歯を覗かせ、夫人達に爽やかな挨拶をした。

その地位や端正な笑顔に惹かれ、夫人達は色めき立った。
「やだ! 素敵! なんてエキゾチック・ジェペーンな男前!」
「まあ、うちの孫娘と飛んでイスタンブールしていただきたいわあ」

若い女中や侍女達からもひそひそと声が上がり、その熱い眼差しを送っていた。

博士女史は機関圧力全開の最高潮に酔い痴れながら、一代限りの伝家の宝刀を抜いた。
「そろそろ、曲の方に参りますわ! 曲目は『ダージリン園歌』ですの、どうぞ!」

結局、チェス座卓は放置され、夫人達と使用人一同、手拍子を合わせた。
煙管の雨を浴びた王子はご機嫌で、キングを逆さに握り、歌い出した。

 ♪
 ジュンパナあなたのモンティベット
 ロプチューされてキャッスルトン
 チョントンすきすきスタインタール
 ソウレニつけてもマルディラン

 マーガレッツておジョガマヤ
 パンダムぬいだらシーヨック
 ムロターしちゃってヌルボンよ
 オークスあそこがラングムック

 ジンわりくるわマカイバリ
 フグリにぎってシビタール
 アリヤごめんねオカイティ
 ナグリまくられバダンタム
 ♪

カンコンカンカンカンカンカンカンカン、コン、カーン、鐘が鳴り渡った。

大盛況で絶頂を迎えた博士女史は木槌を持ったまま澄まし顔で痙攣して、忘我の夢を彷徨っている。
「こちらは、貿易独占から解体寸前まで――東インド会社の提供でお送り致してかしら。
 はい! ここで、一旦GMに入りますわ!」

抜け目なく真紅の切り薔薇をフラワホールに挿した爺が独り張り合い出した。
「ごほん、私は当侯爵家の執事でございます。半世紀前は私も伊達者でございました。
 ええ、さて、ご覧いただきました、阿呆な品々に採用されております新技術は、
 極秘建造中の鉄鋼装甲艦ウォリアの要として、陛下に数多の勝利を献上するでしょう!
 大英帝国の栄えが為、皆々様にはこれからも一層の御贔屓を賜りたくお願い申し上げます。
 ええ、ごほん、そして、私は当侯爵家の執事でございます。以後、お見知りおきを」

「うざい! 話が長くってよ! 引っ込むのかしら!」
我に返った博士女史がナプキンを投げ付け、野次を先導して煽ると、夫人達もぶうぶうと囃し立てた。

こうして、空に赤みが帯び始めた頃、微かに肌寒く薫る春が機関城を吹き抜けた。

侯爵家お抱え楽団も加わり、歌い、踊り、口説き、口説かれ、ダゲレオ撮影、チェス指南、決闘遊戯。
いつの間にか、スタウトが調達され、料理長により焙り牛が振舞われる、どんちゃん騒ぎのお祭りであった。

誰も収拾を付けられない出鱈目な茶会は終焉へ、そんな様子を見て、満足気な博士女史が呟いた。
「やれやれ、大団円でしたわね! ああ、可笑しかった!」
「お戯れもほどほどになさいませ、お嬢……博士女史様。私は当侯爵家の執事でございます」



――礼状追記、茶会記念の銀板を同送、昵懇たる友人達へ捧ぐ

  夫人一同、エセックス機関城にて、一八五八年、卯月朔日

  草々不一、確かなる永年の親愛を込めて  博士女史より



2018.3.6<初出>


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